電源による3つの分類
それぞれの特徴を比較表にまとめました。
| 特徴 | パッシブタイプ | アクティブタイプ | セミパッシブタイプ |
| バッテリー | なし(リーダーの電波で駆動) | あり(自ら発信) | あり(センサー等に利用) |
| 通信距離 | 数cm 〜 10m程度 | 数10m 〜 100m程度 | パッシブより長い |
| 価格 | 非常に安価(数円〜) | 高価(数千円〜) | 中間 |
| 寿命 | 半永久的 | 数年(電池寿命) | 数年 |
| 主な用途 | 商品管理、交通系ICカード | 車両管理、位置検知 | 温度管理、入退室管理 |
各タイプの詳細解説
① パッシブタイプ (Passive)
タグ自体に電池を持たず、リーダーから発信される電波をエネルギー(電力)に変換して動作します。
- メリット: 小型・軽量・安価。メンテナンス(電池交換)が不要。
- デメリット: 通信距離が短い。周囲の金属や水分による電波干渉を受けやすい。
② アクティブタイプ (Active)
タグ内部に電池を内蔵しており、自ら電波を発信します。
- メリット: 通信距離が非常に長く、広範囲の検知が可能。センサー(温度・湿度など)を搭載しやすい。
- デメリット: 電池寿命があるため数年で交換や廃棄が必要。大型でコストが高い。
③ セミパッシブタイプ (Semi-Passive)
パッシブとアクティブの「いいとこ取り」
ICタグ(RFID)は、使用する周波数帯によって「通信距離」や「水・金属への強さ」が大きく異なります。
主な4つの周波数帯について、特徴をまとめました。
周波数帯別 特徴比較表
| 周波数帯 | 区分 | 通信距離 | 通信方式 | 特徴・得意なこと | 主な用途 |
| 135kHz以下 | LF帯 | 数cm 〜 10cm | 電磁誘導 | 水分や金属の影響を最も受けにくい | 自動車キー、家畜管理 |
| 13.56MHz | HF帯 | 数cm 〜 1m | 電磁誘導 | 小型化が可能。NFCもこの帯域 | Suica、入退室管理 |
| 920MHz帯 | UHF帯 | 数m 〜 10m | 電波方式 | 一括読み取りが得意。距離が長い | アパレル検品、在庫管理 |
| 2.45GHz | マイクロ波 | 〜 2m程度 | 電波方式 | 指向性が強い。干渉を受けやすい | 構内監視、自動検針 |
各周波数帯の詳細解説
1. LF帯(Low Frequency:低周波)
最も歴史が古い帯域です。
- メリット: 電波が回り込みやすいため、水分(人体など)や金属がある環境でも比較的安定して動作します。
- デメリット: 通信速度が遅く、アンテナを小さくするのが難しいため、タグが厚くなりがちです。
2. HF帯(High Frequency:高周波)
Suicaやマイナンバーカードなどで使われている、現在最も身近な帯域です。
- メリット: アンテナを薄く作れるため、カード型やシール型にしやすい。通信速度と距離のバランスが良い。
- デメリット: UHF帯ほど遠くからは読めません。
3. UHF帯(Ultra High Frequency:極超短波)
現在の物流革命の主役です。
- メリット: 数メートル離れた場所から、数百枚のタグを一瞬でスキャン(一括読み取り)できます。
- デメリット: 水分や金属に弱く、それらが近くにあると極端に読み取り率が下がります(対策用の特殊タグが必要)。
4. マイクロ波帯
かつてはETCなどで検討されましたが、現在はUHF帯に主流が移りつつあります。
- メリット: アンテナを非常に小さくできる。
- デメリット: 直進性が強すぎて障害物に弱く、無線LAN(Wi-Fi)などと同じ帯域のため、電波干渉が起きやすい。
RFIDタグ情報量
世界標準規格(EPCglobal Gen2)では、タグのメモリは以下の4つの「バンク(領域)」に分かれています。
| メモリ領域 | 容量の目安 | 役割 |
| EPCメモリ | 96〜128 bit (12〜16バイト) | 最も重要。 個別の商品識別コード(シリアル番号)を入れる場所。 |
| TIDメモリ | 48〜96 bit | 書き換え不可。 チップ製造メーカーが設定した「世界に一つだけの製造番号」。 |
| Userメモリ | 0bit 〜 数kバイト | ユーザーが自由に使える予備領域。製造日や賞味期限などを入れる。 |
| Reserved | 64 bit | ロック用パスワードや、タグを無効化(Kill)するためのパスワード。 |




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